これまでの業務改善のやり方を変えるRPA

これまでの業務改善というと、業務の標準化やマニュアル化、プロセスの見直し、間接部門の業務集約などが行われてきました。ただ、人事や経理・財務、調達などの人間の作業が必要になるルーチン業務は対象外となり、経営者からもシステム化要件として認められることはありませんでした。結局、この領域に関しては人が対応せざるを得なかったのです。この問題を解決するために導入が進められているのがRPA(ロボットによる業務自動化)です。

これまでの情報システムが作業者のサポートをしていたのに対し、RPAは作業者そのものとして人間またはそれ以上の業務を遂行できるのが大きな違いです。それに加え、繁閑による業務内容の変更や業務ボリュームの変化などもRPAに与えているルールを変更すれば対応可能。これにより、自動化は難しいとされていた幅広い領域で導入できるようになりました。労働力不足の解決策としては派遣社員やオフショアの活用なども挙げられますが、その度にスタッフを教育する必要があり、せっかく業務を覚えてもそのスタッフが退職してしまうリスクもあります。RPAならそういった心配もありません。

RPAはClass1、Class2、Class3という3つの段階に分かれます。Class2と3については、指示を踏まえて自分で考えて動く自律型AIという扱いです。Class1では、情報の取得や入力、検証といった定型作業を自動化できます。作業を行うための手足のようなもので、例外的な対応には人が介在しなくてはいけません。Class2では、RPAとAIの技術を使うことで自然言語解析、画像解析、音声解析といった非定型作業を自動化できるようになります。それまで手足だったRPAに目や耳がついた状態だと思ってください。構造化されていないデータの読み取りや知識ベースの活用もできるようになります。そしてClass3では、プロセスの分析や改善、意思決定までを自動化することができます。RPAに頭脳が搭載され、ほぼ完全体になったといっていいでしょう。

今の時点からRPAを導入している企業と5年後に導入する企業では、競争力にも大きな差が生まれることでしょう。早い段階から対策しておいて損はありません。とはいえ、RPAもまだ発展途上の段階。難しく感じることもあるでしょう。そこでおすすめしたいのが、NTTグループによって開発されたWinActorというRPAツールです。マニュアルからシナリオ作成画面まですべてが日本語対応なので、違和感なく導入を進められます。働き方改革の一環として、RPAを導入してみてはいかがでしょうか。